日刊木材新聞 2015.1.14
戸建て賃貸事業を手掛ける桧家不動産ランデックス土地活用事業部は関東一円を商圏とし、戸建て賃貸住宅の累計供給戸数は850棟と、関東圏では首位の供給規模だ。14年12月期の供給戸数は125戸。豊富なノウハウを生かし、年間200棟の供給を目指す。
創業は戸建てが注目を集め始めた2007年で、その2年後に桧家グループ入りした。桧家グループの建材・資材の購買力を生かせることも大きな強みとなっている。
商圏は東京、埼玉、千葉、神奈川、茨城などの関東一円。特徴の一つは、提供する賃貸戸建て「プライムアセット」の建築費の安さだ。価格は773万円(設備含む、税抜き、2棟建設の場合の1棟価格)で、デザイン性の高い320プランを用意している。在来金物工法を採用し、構造躯体の耐震性にも配慮している。
戸建て賃貸は、駐車場が家の前にある、階下に響く音を気にしなくていい等の理由から根強い人気がある。だが、供給量が少なく、新築賃貸住宅のうち戸建てはわずか2.4%だ。そのため、戸建て賃貸は借りてにはまず困ることはないという。
供給が少ないため、入居期間の平均も10年と長期だ。家賃は、近隣アパートの家賃と駐車場代金との合計額に2~3割のプレミアムを加えた額となる。「場所にもよるが建築コストはほぼ10年で回収できる」と桧家不動産ランデックス土地活用事業部の日置文彦取締役は語る。
土地の有効活用の点から言えば、アパートやマンションのほうが事業性が高いケースもある。だが、戸建て賃貸は土地・建物ごとに分筆できるので、相続にまつわる後々の紛争が起こりにくい。敷地に建てた3棟の戸建て賃貸のうち1棟だけ家族で利用するといった利用もしやすく、流動性は高い。
桧家不動産ランデックス土地活用事業部では今後、サービス付高齢者住宅にも力を入れる方針だ。賃貸物件は首都圏、駅近など場所の条件を選ぶが、サ付高齢者住宅にはそうした立地条件には左右されにくい。賃貸事業で培ったノウハウを高齢者住宅事業にも生かしていく。
2棟建てたうち1棟を自宅にすれば1棟分の家賃収入を自宅のローンに充てることができ、通常より負担が少なく住宅を取得できる。また、完全独立タイプの2世帯住宅として親や子供たちと住んだり、事情が変われば賃貸住宅にしたり売却したりと、柔軟に対応できる。
同社の戸建て賃貸住宅で注目されるのが、断熱性能などの見直し。同社は、戸建て賃貸住宅が家族世帯などと長期の賃貸契約が結ばれることが多いことから、住宅性能の見直しなども図っていく方針だ。