週刊住宅 2012.10.8 第2552号
戸建賃貸に注目が集まるのは、相続対策への関心の高まりや賃貸アパート、マンションの空室率の高まりを背景にしている。供給各社の受注実績を見ても、年々注目が高まっているようすがうかがえる。
~中略~
戸建賃貸に特化して展開する桧家ランデックスも、今期(12年12月期)は前期を2割上回る受注160棟を見込む。同社では、年間受注200棟の早期達成をめざし、毎年2~3割の増加を維持する考え。都市部への拠点増設などによって体制を整える。
ただそれでも需要に比べて供給が圧倒的に少ないのが実情。2010年の国土交通白書によると、戸建てを求めるユーザーは 全体の77%にのぼるのに対して、戸建賃貸住宅の供給は新築住宅の2%以下に過ぎない。加えて、将来的な給与アップの見通しが立たないこともあり、戸建て の購入希望者も賃貸を選択する例が増えているという声もある。
戸建賃貸のメリットはこうした需要のバランスのゆがみによる入居率の高さと入居期間の長さ。賃貸住宅の全国平均の空室率 が2割を超え、賃貸市場は完全な「借り手市場」にシフトしたとされる。賃料も緩やかな下落トレンドを辿る。そうした中で需要に対して供給が少ない戸建賃貸 は賃料が値崩れしにくく、オーナーの安定経営に有効だ。
需要に比べて供給が少ないことから駅から遠いなど賃貸アパートでは不利とされる立地でも入居者が決まりやすい特性があ る。狭小地や変形地といった活用しにくい敷地でも柔軟に活用できるのが強みだ。もともとの土地の所有者が相続などの際に土地を切り売りして旗竿地が残る場 合も多い。そうした難しい土地の活用方法として一般に認知されるようになってきた。
~後略~