『家主と地主』 VOL.25 2009年夏号
「1棟当たりの本体工事費 税別773万円という価格と、独自の木造軸組金物工法 であるプライムウッド工法や大手メーカー部材により、高い品質を保っていることが実績に 繋がっているのではないでしょうか」。 ランデックス(東京都中央区)の工藤鉄太郎はこう話す。
同社が展開している戸建て賃貸住宅 「プライムアセット」の受注が好調だ。販売開始以来、FC16社19拠点を含めると、150棟以上の 受注実績があるという。
耐震強度に定評のある木造軸組金物工法を標準装備し、団塊ジュニアファミリー層を入居 ターゲットにおいたデザイン性の高い「プライムアセット」は、商品の改良も積極的に 行っており、「プライムアセットTwin」「プライムアセットR」「プライムアセットNow」と 20坪程度の狭小地・変形地に建設可能な81プランがある。
そのひとつ連棟型商品「プライムアセットR」は、1階連棟部分の屋上に『ルーフコートヤード』 と呼ばれる中庭を設置しているもので、2階は戸建てのまま独立し1階の連棟部分は階段や物入れで区分されている。
『ルーフコートヤード』はデザイン格子を採用することで、外観にも配慮しているほか、 プライバシーとセキュリティーを確保している。
同社によるとプライムアセットを建てたいが、敷地条件などの制約でアパートしか建てられない オーナーも多かったという。この商品は、戸建ての良さである防音性を生かした商品は 出来ないかとの考えから開発された。
近年、戸建て賃貸住宅のニーズが高まっている背景には、オーナーが空室対策や建設後の リニューアル費用の捻出などを考えると20年から30年のローンを組んでまで集合住宅を 建てるのは非常にリスクがある、との考えが増加していることが挙げられる。
もともと戸建て賃貸住宅は狭小地の活用として注目されていたが、ひとつの敷地で何棟も 建てるオーナーも増えているという。将来相続が発生した場合には、その土地を切り売り することもできるなど、柔軟に対応することが出来るからだ。
実際、集合住宅が建設できる 土地であっても、わざわざ戸建賃貸を選択して一度に5棟~8棟を建設するオーナーも多いと いう。
同社によると、首都圏では最寄り駅からバスで20分の場所が多く、2世帯同居するために 空家になった土地を利用する傾向が強く、法人借り上げにして相場家賃より25%も上回った 実例のほか、一方中部エリアでは、広い土地を活かして一度に5棟受注した事例があるなど 様々なケースで採用されているという。