『全国賃貸住宅新聞』 2010.1.25 第909号
管理会社との連携も視野に
戸建賃貸住宅「プライムアセット」を展開している桧家ランデックス(東京都台東区)は、戸建分譲・販売を手がける名証二部上場企の桧家住宅(本社・埼玉県久喜市 近藤昭社長)が昨年7月にランデックスの全株を取得し子会社化、新たな体制でスタートを切った会社。ここでは同社の宗像社長に現状と展望を聞いてみた。
モデルルーム開設営業の拠点に
—- 桧家ランデックスとして新体制に変わり、約半年が経ちました。
宗像 「プライムアセット」自体、戸建賃貸ブランドとして定着しています。これに上場企業という信用力も加わりましたので、受注は好調を維持しています。昨年12月ですでに今期度分63棟受注しており、5月末までに50棟がさらに受注できる見込みです。全体でこれまでに210棟以上の受注実績があります。
—- 戸建住宅をメインに展開している企業は、なかなか賃貸住宅を受注することは難しい。
宗像 確かに賃貸住宅は営業マンが人海戦術で地方の方に営業をかけていくことが主流です。当社は他の建設会社さんが行なっているような方法はできません。当社としては今後、建築した物件を当社が借り上げて、モデルルームとしていきたいと考えています。
—- 実際に地主に現物を見てもらおうというわけですね。
宗像 「プライムアセット」を実際に見て触れてもらうことで、その良さを実感してもらおうというわけです。モデルルームを各エリアの拠点として活動していきたいと考えています。既に名古屋に1棟モデルルーム兼立ち上がっていますし、桧家住宅本社近くにも2月に1棟建てる予定です。
—- 桧家住宅との相乗効果はどの程度あると考えますか。
宗像 同じ木造戸建て商品ですから、今後断熱材の採用などの技術的なノウハウが生かせます。また建材類などを大量購入できますので、建築コストを下げることができることも大きなメリットでしょう。例えば外壁材など価格はこれまでと同じものでもランクを上げることができるのです。
—- 営業面ではどのようなメリットが出てきますか。
宗像 非常にやりやすくなったのは事実です。桧家住宅に訪れた人が戸建住宅を購入したい人が、予算が合わずプライムアセットを購入するというケースもあります。桧家住宅としても提案メニューが広がりますので、その意味では相乗効果は出ているのではないでしょうか。もちろんグループ内での顧客情報を共有することができ、営業につなげることも可能になるでしょう。人材交流も積極的に行っていくことで双方のレベルアップも図っていきます。
—- 宗像社長は桧家住宅ちばの社長も兼任しています。
宗像 私が2社を兼任していることで、グループとしての相乗効果は得られやすいのではないかと考えています。
—- これからの重点地域は
宗像 首都圏をメインに受注活動を展開していく計画です。特に国道16号線の内側をターゲットにしていく考えで、年間で100棟の供給を目標にしています。単体で戸建賃貸住宅をこれだけ受注できれば首都圏のブランド力もさらに強固になるでしょう。
首都圏に力点シェア拡大狙う
—- 旧ランデックスはFC展開を積極的に進めてきました。今後のFC展開は。
宗像 現在、全国で12社が稼働していますが、新規の拡大は抑えていく考えです。当面は自社の営業の強化と既存のFC店のフォローに注力していきます。
—- グループとしての戦略は
宗像 桧家住宅グループはは、以前から首都圏に営業エリアを絞った戦略をとってきました。今後は住宅をキーワードに総合的な事業を展開していきます。
—- 賃貸住宅市場に参入していくということは、建築後の管理体制も重要になるでしょう。
宗像 管理についてはやはり地場の専門家にお任せするのが一番だと思われます。これからはさまざまな管理会社に声をかけて勉強会やセミナーなどを企画していきたいと考えています。将来的にはネットワーク化していきたいと考えています。