『住宅新報』2008.3.11 第3055号
「持家派でも賃貸派でもない、いわば『戸建て賃貸住宅族』が誕生し、新市場が生まれる」。 戸建て賃貸のFCをこのほど本格的にスタートさせたランデックスの加藤敏夫執行役員技術本部長はこう予測する。
「従来のアパートは戸建て賃貸に切り替わり、持家に準ずる住宅として、新しい住文化が形成される」というのだ。同社の試算では、「年間7万戸から20万戸程度の市場が期待される」という。
背景には、需給ギャップに加え、社会構造の変化を挙げる。格差社会の進行により、持家を持ちたくても持てない層が増大するほか、積極的賃貸派も増えている。土地オーナー側からは、アパートの供給は過剰気味で空室リスクを懸念する声も高まってきている。物件の差別化策としても、持家感覚の戸建て賃貸が注目されてきている。
同社は3月6日、初のFC加盟店募集のセミナーを福岡市で開催した。当初30人程度の参加を見込んでいたが、ほぼ倍の56人(43社)が参加した。
「予想以上の反響に驚いている」と加藤本部長。セミナー終了後には9社から個別相談の依頼があった。
参加者には地元の大手不動産会社が多く、多角化戦略の1つではと分析する。
同社の戸建て賃貸FC「プライムマネジメントシステム」は、独自の金物工法を採用し、建築部材を共同購入する点が特徴。
「原材料の高騰で、各工務店が独自で資材調達するのは難しい。共同一括購入のメリットを生かし、建築費を定価とした」と加藤氏。加えて、耐震性や施工のしやすさをアピールしていく。
積極的に構造見学会も開催していく方針で、愛知県北名古屋市で1月に開いた同会には2日間で31組が訪れたという。