家主と地主 2012.1.15 ビジネスチャンス2月号
戸建分譲を手掛ける桧家住宅グループの桧家ランデックス(東京都台東区)では、敷地の一部を売却し、建築費用に充てる資産組み換えで、地主への負担を少なくしたスキームの提案を積極的に行なっている。
主力商品の「プライムアセット」建築の受注が増加しており、現在、首都圏と名古屋エリアでこれまでに500棟を供給。昨年は100棟、2011年は契約も組めて150棟にものぼるという。
敷地の半分を売却し、売却資金で建築したケース①
1242㎡の土地のうち、建築条件付き分譲地として3区画合計498㎡を売却。その資金を使って、「プライムアセット」を3棟御を建築、賃貸した。施工費は約3,400万円。
敷地の一部を戸建賃貸にし、自宅の建て替え資金を賄ったケース②
610㎡の敷地のうち、344㎡を注文住宅で自宅を建築、266㎡の敷地に「プライムアセット」3棟を建築した。施工費は3500万円。
家賃は周辺相場14.5万円よりも1万円以上高い16万円で設定した。これにより、毎月賃貸経営収入が入ることになり、自宅を建築するローンに充てても、収益を確保する事が可能になった。
一部土地売却資金で、自宅と賃貸住宅を建築したケース③
271㎡の土地に、114㎡分建築条件付き住宅として売却。
その資金を売却して、「プライムアセット」を自宅用として76㎡の敷地に、賃貸用として81㎡の敷地に建築した。施工費は1,200万円、周辺相場14万円よりも1万円高く家賃を設定してもすぐに入居者が決まったという。
将来の相続を考え予め土地を分担
また、24区画の分譲地で、一部を定期借地権としたほか、一部を売却。その資金を基にして、「プライムアセット」10棟を建築したケースもある。
西部池袋線「清瀬」駅から徒歩10分にある「さくらヒルズ」と呼ばれる開発地で、同社が2年前にまず2棟を建築、昨年残りの8棟を建築した。
設定家賃は138,000円で敷金・礼金各1ヶ月。周辺相場より若干高めにされていたものの、人気は上々だという。
連棟の為リビングが1階にあるものと、2階にあるもの、内装も3パターンの変化を与えている。もちろん各戸には駐車場スペースも確保している。
敷地内では戸建賃貸住宅のほか、定期借地権付住宅が6棟連なり、間には緑地などを配置、土地全体を一つの街として造成することで、敷地に付加価値を付ける事にも成功したのだった。
もともとこの土地の所有者は兄弟で将来的な相続と売却が出来る事を意識して、土地をあらかじめ分割することを計画。当初はアパートを考えていた が、現在この周辺もアパートは飽和状態のため、同社が提案した戸建賃貸住宅が提案された。建築費用は一部の土地を売却してそれを原資にしたため、殆どか かっていないという。