『住宅新報』2009.4.21 第3111号
戸建て賃貸専業の ランデックス社長
工藤鉄太郎さん
「ものごとを作りだし、開発していくことに私の原点があり、戸建て賃貸を世の中に出していくことも 面白いだろう」と考えた。 戸建て賃貸に特化して事業展開し、約1年半で約150棟を受注。
08年3月からFC展開も始めた。 「トップブランドを確立したい」と意気込む。 特徴は構造。「当初から全国展開を考え、木造軸組み金物工法を選んだ」。1級建築士として自らも 商品開発に携わり、技術者と侃々愕々(かんかんがくがく)の議論を経て、最強の工法を構築した」と自負する。
デザインにはRの屋根を採用。「コストだけを考えると合理的ではないが、飽きのこないデザインで、資産価値を 高められる」とこだわった。 この考え方は、戸建て賃貸専門特化した理由にも通じる。「経済効果からすれば集合住宅のほうがいいのかもしれないが、 騒音問題やコミュニティーのあり方などに課題もある。
本来の住まい方や人間らしい暮らしは、戸建がふさわしいのではないか」 と持論を展開する。「経済状況などを理由に戸建て住宅を建築出来ない層に戸建てに住む機会を与えたい」と力を込め、社会的 意義を強調した。
新しいことに挑戦することが好き。20代半ばで1級建築士の資格を取得し、ペンション専門の設計事務所を設立した。 20代前半の頃、スイスを旅行した際に観た校倉造りのペンションに着想を得て、日本での展開を考えた。 間取りやログハウスの断熱性などを研究。ペンション建設のシステム化を進め、100棟余りの設計を手掛けた。
70年代、日本ではペンションという宿泊形式が始まったばかりのころ。やがて一気に世の中に広がっていくことになる。 果たして戸建て賃貸も同様に拡大するのか。 「将来的には、20万戸規模の市場に達する」と予測している。
51年山形市生まれ。法政大学工学部建築学科卒。設計事務所、住友不動産ホーム(2×4)、三井農林(木軸)、ダイワード(マンション管理) を経て現職。妻と2女1男の5人家族。趣味は囲碁・将棋。
(佐藤 幹彦)