日刊木材新聞
桧家ホールディングス(東京都、近藤昭社長)のグループ会社である桧家不動産(同、宗像傳社長)は、関連会社のリビングケア研究所(横浜市、桑原尚人社長)と事業協力し、桧家ブランドによる木造介護施設の第1号を埼玉県久喜市にオープンする。在来木造2階建てで今年10月に着工、工期約5カ月で、来年2月末に完成、4月1日の開設を予定している。同施設は月額入居費が8万7000円からと低価格であることが特徴で、地域でも話題を集めている。
建物は延べ床面積410平方メートル。14の居室とデイサービスのほか、居宅支援、訪問看護、訪問介護の3つの事業所を備え、入居者はそれざおれ最適なサービスが受けられる仕組みだ。
詞絵sつ規模を抑えることで入居者へのサービスの質を維持する狙いもある。建設費は設備などを含め8500万円。桧家不動産が地主から用地を借り受け、20年一括でサブリースし、施設運営も行う。桧家ホールディングス傘下では、買収したライフサポートが介護事業を実施しているが、建物はRC造が中心だ。
また、リビングケアは、今回の建築物とほぼ同規模の木造施設8棟を既に建設して運営しており、そのうち2棟は桧家グループが建設を請け負っている。だが、今回のように、企画、設計、建物の建設、運営まで桧家グループが一気通貫で行うのはこれが初めてとなる。
桧家不動産が開発した介護施設「プライムアセットカルナ」は、桧家住宅がこれまで戸建住宅で培ってきた、コストパフォーマンスの高い家づくりのノウハウを生かしている。断熱材にはグループ会社の断熱材メーカー、日本アクアの吹き付けウレタン断熱材アクアフォームを用いて断熱性を高め、光熱費の削減を実現する。
桧家不動産は今後、この1号施設を核として、半径5キロ以内の地域に、同一価格帯の同様の施設を増やし、18年までに5施設を稼働する計画だ。来年中には用地のめどをつける。
今回の施設は自立支援型だが、医療対応型、認知症対応型などさまざまなタイプの施設を建設し、入居者はその時々の状況に応じて住み替えもできるようにする。ケアマネージャー、主治医、看護師など地域医療機関との提携も進める。
桧家リビング久喜1号施設は、要介護度の人が入居対象。これらの要介護者には、サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームは費用が高額すぎて利用ができない人も少なくないが、同施設は、8万7000円からが月間利用費用(家賃、食費、光熱費込み)と魅力的な設定だ。敷金、礼金、入居一時金などは必要ない。
販売計画は今後5年で20棟。介護事業は人材確保が鍵といわれるが、同社では、同一地域内で施設を増やしながら同時にしっかり人材育成も行い、無理のないペースで事業を拡張していく方針だ。
同社では分譲事業のほか、戸建賃貸などの土地活用もおこなっているが、今後は駅から近い場所は戸建賃貸、遠い場所は介護施設と、立地条件に合った提案を行っていく。